ひとりごとを延々と書くブログ

話し相手代わりに書き綴っていきます

「おめでとう」

「おめでとう」
 私は手をたたいた。君は驚いているようだった。私はまた手をたたいた。
「君はよくやっているよ。よくぞここまでやってくれた」
 私は本心から言っていた。君は疑っているようだった。
「大変だったろう。よくがんばったじゃないか」
 そういって私は君の肩をたたいた。まだ、君はおどろいているようだった。
「まあゆっくりしようじゃないか。君はもう十分やってくれた」
 君はゆっくり腰を下ろした。
「ほんとうに、お疲れ様だったね」

 私は、君の手から叩き落とした拳銃を拾い、君のこめかみにあてた。手と肩を警棒で打たれ、戦意を喪失した部下の君は、うつろな目をしている。
「すまないと思ってる」

 犯罪組織との内通者を捜査していた君は、見事にそれが私だと突き止めてくれた。