「おめでとう」
私は手をたたいた。君は驚いているようだった。私はまた手をたたいた。
「君はよくやっているよ。よくぞここまでやってくれた」
私は本心から言っていた。君は疑っているようだった。
「大変だったろう。よくがんばったじゃないか」
そういって私は君の肩をたたいた。まだ、君はおどろいているようだった。
「まあゆっくりしようじゃないか。君はもう十分やってくれた」
君はゆっくり腰を下ろした。
「ほんとうに、お疲れ様だったね」
私は、君の手から叩き落とした拳銃を拾い、君のこめかみにあてた。手と肩を警棒で打たれ、戦意を喪失した部下の君は、うつろな目をしている。
「すまないと思ってる」
犯罪組織との内通者を捜査していた君は、見事にそれが私だと突き止めてくれた。